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ケース別・お悩み別売却ガイド

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境界トラブルがある土地は売れるのか?

土地を売却しようとしたとき、「隣地所有者と境界の認識が違う」「境界標が見つからない」「塀が越境している」といった問題が発覚することがあります。

境界トラブルがある土地でも売却自体は可能です。ただし、境界が不明確なままでは購入希望者が不安を感じやすく、価格や売却期間に影響する可能性があります。

できるだけよい条件で売却するには、問題を隠さず、土地家屋調査士や不動産会社などの専門家と連携して解決方法を検討することが大切です。

土地の境界トラブルとは?

土地の境界トラブルには、単に境界標がなくなっているケースから、隣地所有者と所有範囲について争いが生じているケースまであります。

代表的なものは次のとおりです。

  1. 境界標や境界杭が見つからない
  2. 登記上の図面と現地の状況が一致しない
  3. 売主と隣地所有者で境界の認識が異なる
  4. 塀や建物、屋根、樹木などが越境している
  5. 私道や通路の利用範囲について意見が分かれている
  6. 測量への立ち会いや確認を隣地所有者に断られている

国土交通省も、境界情報が正確になることで土地取引を円滑に進めやすくなり、境界トラブルの防止につながると説明しています。(国土交通省とあなたをつなぐ、みらいのくらし発信マガジン)

境界トラブルがあっても売却は可能

境界が確定していないからといって、土地を売却できないと決まっているわけではありません。買主が問題の内容を理解し、売買条件に合意すれば、取引できる可能性があります。

ただし、買主は購入後のトラブルを引き継ぐことになります。そのため、一般の購入希望者からは敬遠されやすく、価格交渉を受けることもあります。

住宅建築を目的とする買主にとっては、土地の正確な面積や形状が分からなければ、希望する建物を建てられるか判断しにくくなります。金融機関や建築会社から、境界の確認を求められる場合もあります。

そのため、境界を確認してから売却したほうが、購入希望者の不安を減らし、取引を進めやすくなるのが一般的です。

「筆界」と「所有権界」の違いを知っておく

土地の境界を考える際には、「筆界」と「所有権界」の違いを理解しておく必要があります。

「筆界」とは、土地が登記されたときに、その土地の範囲を区画するものとして定められた線です。所有者同士の話し合いだけで自由に変更することはできません。

一方の「所有権界」は、所有権がどこまで及ぶかを示す境界です。多くの場合は筆界と一致していますが、長年の利用状況や過去の合意などにより、一致しないことがあります。法務省も、筆界と所有権の範囲は異なる概念であり、一致しない場合があると説明しています。(moj.go.jp)

どちらについて争っているのかによって、相談先や解決方法が変わるため、自己判断せず専門家へ確認しましょう。

境界トラブルを解決する基本的な流れ

売却前に境界問題を解決する場合は、次のような手順で進めます。

関係する資料を集める

まずは登記事項証明書、公図、地積測量図、過去の売買契約書、境界確認書などを集めます。

昔の測量図や境界標の写真、塀を設置したときの資料などが残っていれば、境界を調べる際の参考になります。ただし、公図や古い測量図だけで現地の境界位置を断定できるとは限りません。

土地家屋調査士へ調査と測量を依頼する

土地の境界や測量に関する専門家が土地家屋調査士です。資料調査や現地測量を行い、必要に応じて隣地所有者に立ち会いを求めます。

関係者が境界の位置に合意できた場合は、境界標を設置し、境界確認書などを作成します。書面を残しておけば、売却時に買主へ境界の状況を説明しやすくなります。

調査や測量には費用と時間がかかります。接している土地の数、土地の広さ、資料の有無、隣地所有者との関係などによって負担が異なるため、事前に見積もりを確認しましょう。

越境物について話し合う

塀、軒、配管、樹木などが境界を越えている場合は、誰の所有物なのか、どの程度越境しているのかを確認します。

すぐに撤去できない場合でも、「建物を建て替えるときに解消する」など、将来の対応について隣地所有者と書面を取り交わせることがあります。

相手の所有物を勝手に撤去したり、境界標を自己判断で移動したりすると、問題が大きくなる可能性があります。必ず専門家を交えて対応しましょう。

話し合いで解決できない場合の選択肢

隣地所有者との話し合いで解決できない場合は、筆界特定制度や裁判外紛争解決手続などを検討します。

筆界特定制度を利用する

筆界特定制度は、土地所有者などからの申請を受け、法務局の筆界特定登記官が、専門家の意見や測量・実地調査などを踏まえて筆界の位置を明らかにする制度です。

ただし、この制度は新しい境界を決めるものでも、所有権がどこまであるかを判断するものでもありません。登記された際に定められた筆界を現地で特定する制度です。(moj.go.jp)

境界問題相談センターを利用する

各地の土地家屋調査士会が運営する境界問題相談センターでは、土地家屋調査士と弁護士が調停人となり、当事者間の話し合いを支援しています。

筆界だけでなく、所有権界や越境物などを含む民事上の境界問題について相談できる場合があります。(日本土地家屋調査士会連合会)

それでも解決できない場合は、境界確定訴訟や所有権確認訴訟などの裁判手続を検討することになります。どの方法が適しているかは問題の内容によって異なるため、土地家屋調査士や弁護士へ相談しましょう。

解決しないまま売る場合の注意点

売却を急いでいる場合や、隣地所有者との合意が難しい場合は、境界問題を残したまま売却することも選択肢になります。

その場合は、境界が確定していないこと、隣地との認識の違い、越境物の状況などを、不動産会社と買主へ正確に伝える必要があります。

契約書には、境界をどこまで明示するのか、測量を行うのか、越境物をどのように扱うのかなどを具体的に記載します。問題を伏せたまま売却すると、引き渡し後の損害賠償請求や契約上のトラブルにつながる可能性があります。

一般の買主が見つかりにくい場合は、境界問題のある土地を取り扱う不動産会社への買取相談も考えられます。ただし、通常の仲介より売却価格が低くなる傾向があるため、価格と早期売却のどちらを優先するか検討しましょう。

まとめ

境界トラブルがある土地でも売却は可能ですが、買主にとっては購入後の利用や建築、近隣関係に影響する重要な問題です。

まずは資料を集め、土地家屋調査士による調査や測量を行い、隣地所有者との話し合いを進めましょう。解決が難しい場合は、筆界特定制度、境界問題相談センター、裁判手続などの選択肢があります。

問題を隠さず、土地の状況と売却条件を明確にすることが、売却後のトラブル防止につながります。境界に不安がある方は、販売を始める前に、不動産会社と土地家屋調査士へ相談することをおすすめします。

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